ネオ・ソウルにおけるマウスレゾナンス
カーティス・メイフィールドのマウスレゾナンスが最も影響を与えたのは1995年に誕生したネオ・ソウルです。
ネオ・ソウルは、1970年代のニュー・ソウルとヒップホップを組み合わせた音楽ですので、これは革命的であり、誕生した当時はジャンル的にR&Bなのか?ヒップホップなのか?という物議を醸し出した程に、全く新しい音楽でした。その新しくありながらも古くもある音楽は、当初はニュー・クラシック・ソウルと呼ばれていました。それは「新しい古典的なソウル」という意味です。
女性のネオ・ソウルシンガーは、ジャズの歌唱法を取り入れ、シャウトと同じ原理の発声法のネイゾルのトランペットを使う事が多いのですが、それに対して男性のネオ・ソウルシンガーは、カーティス・メイフィールドやアイズレー・ブラザーズなどのニュー・ソウルの歌唱法を取り入れ、元はアフリカの発声法のマウスレゾナンスを多用します。
まずはネオ・ソウルを作ったディアンジェロです。
ディアンジェロは1995年にソロデビューし、カーティス・メイフィールドのマウスレゾナンスからまともに影響を受けた歌声です。もちろファルセット寄りのミックスボイスを使っています。マウスレゾナンスは基本はクリアな声ですが、おじさんやおばさんの様な2種類のダミ声を出す事も出来ますので、ディアンジェロはこの曲では、おじさんの様なマウスレゾナンスのダミ声を多用しています。全体的にはカーティス・メイフィールドの影響が強いのですが、ダミ声を使うところはアイズレー・ブラザーズのロナルド・アイズレーからの影響も感じられます。
最後のアドリブではマウスレゾナンスにネイゾルと組み合わせていますが、マウスレゾナンスのシャウトも使っています。
ディアンジェロは南部のバージニア州リッチモンド産まれです。動画はカーティス・メイフィールドにまともに影響を受けている2000年の曲です。
ディアンジェロ
ディアンジェロがソロデビューした翌年の1996年に2人の重要なネオ・ソウルシンガーがデビューしました。
まずはマックスウェルからです。
マックスウェルは曲によって色々な発声法を使い分けます。
この曲での発声法はカーティス・メイフィールドのマウスレゾナンスからの影響を強く感じますが、歌い方はどちらかと言うとアイズレー・ブラザーズのロナルド・アイズレーからの影響を感じます。
ファルセット寄りのミックスボイスに、元はアフリカの発声法のマウスレゾナンスを組み合わせています。部分的にネイゾルとマウスレゾナンスを組み合わせています。
マックスウェルは北部のニューヨークのブルックリン産まれです。動画は2001年の曲です。2010年代にネオ・ソウルから進化して誕生したオルタナティブR&Bの先駆けの様な曲です。
マックスウェル
そして最後はエリック・ベネイです。
この曲でのエリック・べネイの発声法はカーティス・メイフィールドのマウスレゾナンスからの影響を強く感じます。
ディアンジェロ、マックスウェルと同様にファルセット寄りのミックスボイスに、元はアフリカの発声法のマウスレゾナンスを組み合わせています。
最後のアドリブでは、マウスレゾナンスのシャウトも使っています。
エリック・べネイも曲によって色々な発声法を使い分けます。
エリック・べネイは南部のアラバマ州産まれです。動画は2010年の曲です。
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