1960年代のシャウター達の補足 ウィルソン・ピケット、マーヴィン・ゲイ
オーティス・レディングとエタ・ジェイムズの動画は貼ったのですが、スマホやタブレットでは、動画が多すぎるとページが閉じてしまいますので、ウィルソン・ピケットとマーヴィン・ゲイのシャウトの曲を補足でブログ記事にしました。
まずはサザン・ソウルのスタックス/ヴォルトのウィルソン・ピケットからです。
ウィルソン・ピケットは、ソウルの王様、オーティス・レディングに勝るとも劣らない名シャウターです。
ウィルソン・ピケットは黒人ロックンローラーのリトル・リチャードに影響を受けていました。
見事な、がなり声のネイゾルのシャウトです。ウィルソン・ピケットはほぼシャウトオンリーですので、分かりやすいです。
ほぼシャウトオンリーと言いますのは、ウィルソン・ピケットはブルージーですので、シャウトに、元はアフリカの発声法のマウスレゾナンスを組み合わせています。
これはウィルソン・ピケットだけに限らずに、大体のシャウターはシャウトにマウスレゾナンスを組み合わせています。
アップテンポでの見事なシャウトです。バラードのシャウトの名曲もありますが、まずはウィルソン・ピケットの代表曲の、この曲を選びました。
ウィルソン・ピケットは南部のアラバマ州産まれです。
音源は1965年の曲です。
ウィルソン・ピケット
ベン・E・キングのブログ記事で、シャウトでバラードを歌うと。こんな感じという事は掴めているとは思いますが、ここではウィルソン・ピケットみたいなサザン・ソウルのシャウターが、本気でバラードを歌うとこんな感じになるという曲を紹介します。
1コーラス目の出だしからサビまでは、パワフルな声のネイゾルのクライングと、元はアフリカの発声法のマウスレゾナンスを使っていますが、1コーラス目のサビからはずっとがなり声のネイゾルのシャウトで歌っています。特に後半の盛り上がりでのシャウトは凄いの一言に尽きます。
この曲でもウィルソン・ピケットはシャウトにマウスレゾナンスを組み合わせています。
音源は1969年の曲です。
バラードを歌うウィルソン・ピケット
そしてノーザン・ソウルのモータウンのマーヴィン・ゲイです。
マーヴィン・ゲイは、やはり1970年代に独自の歌唱法を完成させ、名歌唱が多いのですが、1960年代にもシャウトの名曲があります。まずはその曲を貼ります。
1970年代に独自の歌唱法を完成させたのは事実ですが、1960年代のマーヴィン・ゲイの歌唱法も、独自の歌唱法として十分に完成されています。この頃は楽曲がモータウン色が強かったという事は言えます。
マーヴィン・ゲイは、がなり声のネイゾルのシャウトは部分的に使うという感じのシャウターです。
基本は、元はアフリカの発声法のマウスレゾナンスを使っています。
マーヴィン・ゲイはワシントンD.C.産まれです。
音源は1968年にマーヴィン・ゲイが、グラディス・ナイト&ザ・ピップスの1967年の曲をカバーしたバージョンです。
マーヴィン・ゲイ
それでは、次は曲は1970年代ですが、マーヴィン・ゲイのシャウターとしての最高傑作です。
歌唱法も完成されていますが、ニュー・ソウルの影響を受け、楽曲も独自のスタイルに完成されています。
この歌唱を聴いて、なぜマーヴィン・ゲイの発声法や歌唱法が上級編なのかが解るでしょう。
部分的にがなり声のネイゾルのシャウトも使っていますが、基本は、元はアフリカの発声法のマウスレゾナンスと、パワフルな声のネイゾルのクライングを巧みに、組み合わせたり、使い分けたりして、使いこなしています。
この曲でのマーヴィン・ゲイの歌唱は、この上なくソウルフルで官能的です。
官能的な歌い方だと感じるのは、主にマウスレゾナンスとシャウトを使っている部分です。そしてクライングも使っていますが、いわゆるパワフルな声ではありません。しかしクライングはサックスの様なクリアな声も出せますので、そっちの方を使っています。
音源は1973年の曲です。
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