シャウトのパイオニア達 戦前ブルース、ニューオリンズ・ジャズ

 ゴスペルは1930年代に誕生した音楽ですので、当然シャウトのパイオニアとなると、ゴスペル誕生前からいた訳です。

 まず戦前ブルースにおけるシャウトのパイオニアです。

 真っ先に挙げられるのが、1929年にデビューした、チャーリー・パットンです。

 翌年の1930年には同じくシャウターのブルースマン、ブッカ・ホワイトがデビューしています。

 1927年にデビューしたブラインド・ウィリー・ジョンソンもシャウターなのですが、喉を潰してダミ声になったという事で、聴いた感じでも喉でのシャウトであり、ネイゾルのシャウトではありません。

 よってチャーリー・パットンが、がなり声のネイゾルのシャウトのパイオニアだと言えます。

 チャーリー・パットンは南部のミシシッピ州産まれです。

 尚、南部のテネシー州メンフィスを最北端に、黒人差別の酷かった三角地帯、ミシシッピ・デルタがあり、主にメンフィスとミシシッピ州の戦前ブルースは、デルタ・ブルースと呼ばれています。

 チャーリー・パットンは、ロバート・ジョンソンやブッカ・ホワイトと共に、そのデルタ・ブルースを代表するブルースマンの一人です。

 音源は1929年の曲です。


チャーリー・パットン

 ブルースと言えば、ジャズのルーツですが、ジャズではもっと前からシャウトが使われていました。

 それはニューオリンズ・ジャズを代表する、ルイ・アームストロングです。

 この曲は、がなり声のネイゾルのシャウトで喋っている音源です。

 ルイ・アームストロングは喋り声自体が、がなり声のシャウトなのです。

 天然のシャウターと言えるでしょう。

 ルイ・アームストロングは南部のルイジアナ州ニューオリンズ産まれです。

 音源は1926年のルイ・アームストロングのリーダー作としてのデビュー曲です。


シャウトで喋るルイ・アームストロング

 この曲では、がなり声のネイゾルのシャウトで歌っています。

 音源は1926年の曲です。


シャウトで歌うルイ・アームストロング

 ルイ・アームストロングはシンガーでもありますが、本職はトランペッターです。

 ルイ・アームストロングのシンガーとしての代表曲です。

 素晴らしいシャウトでのバラードです。がなり声のネイゾルのシャウトの見本と呼べます。

 しかし上に貼った、デビュー当時の2曲のシャウトオンリーの声とは、ちょっと違う声だという事に気づいた方もいるかもしれません。

 そうです。この曲ではシャウトと、元はアフリカの発声法のマウスレゾナンスを組み合わせているのです。

 ルイ・アームストロングは、徐々に持ち前のシャウトにマウスレゾナンスを組み合わせる様になり、そして歳を重ねるにつれて、マウスレゾナンスが強くなり、より明るくも温かみと深みのあるブルージーな歌声になっていったのです。

 音源は1967年の曲です。


ルイ・アームストロングのシンガーとしての代表曲

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