ゴスペルのウィスパーボイスのパイオニア達

 まずはゴスペルにR&Bの要素を取り入れて、コンテンポラリー・ゴスペルを作り出したエドウィン・ホーキンスの曲です。

 エドウィン・ホーキンスと言えば"Oh Happy Day"で知られていますが、ここでは別の曲を紹介します。

 男性と女性のソリストが歌っていますが、男性のソリストはエドウィン・ホーキンスで、ウィスパーを使っています。女性のソリストはウィスパーは使っていません。

 もちろんエドウィン・ホーキンスもダニー・ハサウェイ同様に、ハスキーな声のネイゾルのウィスバーボイスと、パワフルな声のネイゾルのクライングを組み合わせていますので、ダニー・ハサウェイの歌声に似ています。

 トラディショナルなゴスペルではウィスパーは使われていなかったのですが、この様にゴスペルでソリストがウィスパーを使う様になったのです。

 エドウィン・ホーキンスはカリフォルニア州オークランド産まれです。

 音源は1971年の曲です。


ウィスパーで歌うエドウィン・ホーキンス

 アーバン・コンテンポラリー・ゴスペルが誕生するまでは、ゴスペルではクワイアはウィスパーを使っていなかったと書きましたが、例外の曲も紹介します。

 その曲は、エドウィン・ホーキンスが1972年に、北部のイリノイ州シカゴ出身のシカゴ・ソウルのファミリーグループ、ファイヴ・ステアステップスの1970年のヒット曲をゴスペルでカバーし、クワイアもR&B的に、ハスキーな声のネイゾルのウィスバーボイスを使っています。

 原曲はウィスパーのコーラスではなかったのですが、時にはこういう例外もあったという事です。

 音源はその1972年のカバーバージョンです。


エドウィン・ホーキンス・シンガーズ

 しかし例外は他にもあります。エドウィン・ホーキンスと同じくコンテンポラリー・ゴスペルを作った、アンドレ・クラウチの曲です。

 エドウィン・ホーキンスとアンドレ・クラウチは同じ1968年にデビューしていますので、コンテンポラリー・ゴスペルを作ったのはどちらかという判断は難しいところです。アンドレ・クラウチはコンテンポラリー・ゴスペルの父とも称されていますが、一般的にはエドウィン・ホーキンスがコンテンポラリー・ゴスペルを作ったという事で知られています。

 ともかく、アンドレ・クラウチはR&Bやポップ・ミュージックなどのアーティストとも積極的にコラボしたりして、R&B寄りのゴスペルの曲も沢山リリースしています。

 よって、ハスキーな声のネイゾルのウィスパーボイスも、いち早くクワイアに取り入れたのです。そしてアンドレ・クラウチ自身もウィスパーを使っていて、ソウルフルでパワフルな声ですので、パワフルな声のネイゾルのクライングと組み合わせています。

 しかし、いわゆるコンテンポラー・ゴスペルというゴスペルらしい曲も沢山リリースしています。そういった曲ではクワイアはウィスパーではなく、トラディショナルな歌い方でミックスボイスを使っています。

 この曲ではクワイアがウィスパーを使っています。

 アンドレ・クラウチはカリフォルニア州サンフランシスコ産まれです。

 音源は1975年の曲です。


アンドレ・クラウチ

 そして一般的にゴスペルクワイアが、ハスキーな声のネイゾルのウィスバーボイスを使い始めた事で知られているのが、この曲です。

 アーバン・コンテンポラリー・ゴスペルを作り出したカーク・フランクリンの曲です。

 アーバン・コンテンポラリー・ゴスペルはゴスペルにヒップホップ・ソウルを取り入れた事で知られていますが、この曲の様に流行りのR&Bも取り入れたのも、アーバン・コンテンポラリー・ゴスペルです。

 音源は1996年の曲です。

 カーク・フランクリンはテキサス州フォートワース産まれです。


カーク・フランクリン

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