ソウルミュージックのウィスパーボイスのパイオニア達

 1970年にデビューしたダニー・ハサウェイの前から、ソウルミュージックでウィスパーボイスを使っていたパイオニア達の紹介です。

 真っ先に挙げられるのは1955年にデビューしましたが、1960年代から曲がヒットする様になった、ソロモン・バークです。

 元牧師であり、お説教的な歌唱や、ソウルフルでパワフルな歌唱も得意としますが、ウィスパーも得意とするシンガーです。もちろんダニー・ハサウェイと同様に、ハスキーな声のネイゾルのウィスバーボイスと、パワフルな声のネイゾルのクライングを組み合わせていますが、この曲でのソロモン・バークの声はパワフルな声ではなく、クライングはダニー・ハサウェイ程には使っていません。しかし加減の違いはあれ、発声法の組み合わせ自体は一緒ですので、どことなくダニー・ハサウェイの歌声に似ています。

 ソロモン・バークは北部のペンシルベニア州フィラデルフィア産まれです。

 音源は1965年の曲です。


ソロモン・バーク

 そしてソウルミュージックというよりはリズム&ブルースシンガーと呼ぶのがふさわしいですが、1940年代にジャズマンが演っていたジャイヴとは違い、ブルースから進化したR&Bのパイオニアのレイ・チャールズです。

 レイ・チャールズは1949年にデビューしましたが、1950年代から曲がヒットする様になりました。

 デビュー当時はブルース色が強く、時にはジャズも歌いましたが、主にブルース歌っていましたので、元はブルースマンだったと言っても良いでしょう。

 この有名曲でレイ・チャールズは、ハスキーな声のネイゾルのウィスパーを使ってハスキーに歌い上げています。パワフルな歌声ですので、当然、パワフルな声のネイゾルのクライングも使っていますが、レイ・チャールズの場合は、ブルース色が強いシンガーですので、元はアフリカの発声法のマウスレゾナンスも使い、ウィスパーとクライングと組み合わせています。

 声を聴いて解る様に、レイ・チャールズはダニー・ハサウェイとは全然違う声です。同じウィスパーでもダニー・ハサウェイとは違う発声法の組み合わせをしているからです。

 ネイゾルのウィスパーとクライング、そしてマウスレゾナンスを組み合わせるという、複雑な組み合わせ方です。

 分析をしても複雑な声ですが、聴いても複雑な声だと解ると思います。やはり天才ですが、デビュー当時の歌を聴くと曲毎に声が違うと感じる程、色々な発声法を試行錯誤で試して、この様な歌声に仕上がったという事が解ります。天才というのは努力をする天才だと思います。

 レイ・チャールズは南部のジョージア州産まれです。

 動画は1960年の大ヒット曲です。


レイ・チャールズ

 尚、「ロックンロールのパイオニア達 黒人ロックンローラー3選」で紹介した、ファッツ・ドミノはダニー・ハサウェイと同じく、ウィスパーとクライングを組み合わせていますのが、ウィスパーがそんなに強くなく、そこまでハスキーではありませんので、ダニー・ハサウェイの歌声には似ていません。

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